JBoss AS7 おたより紹介

JBoss AS7のリリース、Twitterでいろんな反応があったので簡単に紹介してお返事とかするよ！

起動が10秒くらいであんまり速くない！

初回の起動ではないでしょうか。というのも、JavaやJBoss ASを構成するファイルがOS側のディスクキャッシュに存在していない場合、単にそれらを読み込むときの「ディスクの遅さ」という話になってしまい、JBoss ASが遅い、という話ではなくなってしまいます。2回目以降の起動の速度を見てください。

あとありがちなのとしてupdatedbとかウィルススキャンが走っていて実は何やっても遅かった、というような可能性があります。

TomcatやJettyより起動がだいぶ遅い！Glassfishとあまり変わらない！

TomcatやJettyは機能セットが違いすぎるのでさすがにフェアな比較ではありません。TomcatからServlet/JSPコンテナを削除したものと元のTomcatを比較、というのはフェアでしょうか。いやその二つ削ったら何も残らねーだろ、とか。

また、JBoss AS7はJava VMオプション-serverがbin/standalone.shで自動的に付与されるようになっていてServer VMで立ち上がるのですが、Tomcat, Jetty, Glassfishは32bit環境だとClient VMで立ち上がるので、アプリケーションサーバのレイヤではなくVMのレイヤで速度が異なる、という条件の違いが発生します。あと、GlassFishはWebコンテナを遅延初期化するんですが、それにかかる時間はGlassFishが報告する起動時間に含まれていません。でもGlassFishさんは十分速いと思います。

HibernateってJBossのプロジェクトだったんだ！

はい、Hibernateチームは作者のGavin King含めほぼRed Hatの社員です。もちろんGoogleの人とか社外のコントリビュータも居るんですが、中心になってコントリビュートしてくれる人は大体採用してしまうので結果的に「ほぼ社員」という状況になっています。

他にもJava開発者におなじみなところで言うと、Apache httpd/Tomcat/mod_jkの主要開発者は揃っていますし、TomcatのPMCチェアマンやApache Software Foundationのプレジデント、Codehaus創設者、PostgreSQLリードデベロッパなどなどがRed Hatの社員として在籍しています。挙げるとキリがないですし、Java開発者が知ってそうなところしか挙げていませんが、もちろん他にも幅広い領域に渡るオープンソースソフトウェア開発者たちが同僚です。わからないことがあった場合に作者に直接聞けるので便利ですし、とても勉強になります。

バグ報告したら超高速で原因調査されて修正されてびびった！

バグ報告ありがとうございますっ！

https://issues.jboss.org/browse/AS7-1277

起動したけどリモートからアクセスできない？

デフォルトでは127.0.0.1にバインドするのでそのマシン以外からのリモートアクセスを受けられるようにはなっていません。アドレスの定義はstandalone/configuration/standalone.xmlにあり、をにすると全アドレスバインドになります。

https://docs.jboss.org/author/display/AS7/Interfaces+and+ports

bin/standalone.shに書いてあるLAUNCH_JBOSS_IN_BACKGROUNDという変数を設定してもバックグラウンドで起動しないよ？

その変数は、&を付与してコンソールの制御を戻してくれる、というオプションではありません。

この変数はシェル自体に&を指定して起動する、というのと併用して設定するオプションです。standalone.shに&を付与して起動したときにstandalone.shのPIDに対して発行したシグナルをJBoss ASのJavaプロセスに経由させる、ということを行います。PIDベースの管理がストレートにできて便利です。逆に、これをしない場合はシェルスクリプトをカスタマイズするか、わざわざpsの出力などから対応するJavaプロセスを割り出してごにょごにょ、ということをしなければならなくなります。

http://community.jboss.org/wiki/StartStopJBoss